本記事では、BenQのHT2150STを1年ほど使ってみてのレビューをしていきます。利用用途はゲーム・映画・スポーツ観戦です。
全体的に細かくレビューをしていきますが、先に一言言っておくと
このHT2150ST控えめに言っても最高です。
欲しいけど悩んでいる、という方は確実に買うべきです。この機能、この性能、この楽しさで10万円を切るプロジェクターは他にありません。皆さんと同様、購入するかを悩みに悩んで購入した私が達した結論としては、買ってよかったの一言。そのくらいHT2150STは素晴らしいプロジェクターですよ。
- プロジェクターの種類がわかります
- ゲームに最適なプロジェクターの特徴がわかります
- HT2150STの性能や活用方法がわかります
目次
プロジェクターについて
プロジェクターの投影方式について
プロジェクターには以下3つの投影方式があります。
- 3LCD方式(液晶方式)
- DLP方式
- LCOS方式
それでは、各々について簡単に説明していきますね。
3LCD方式
EPSONのプロジェクターでよく使われている方式。ビジネスの場面で使われているプロジェクターに多い印象があります。職場や学校などで使っているプロジェクターを思い浮かべていただければ、何となくイメージがつかめると思います。
3LCD方式のメリットとしては、明るい映像が投影できるというところ。ビジネスでよく使われる理由はここにあります。明るい映像は、書類やスライドを投影するのにぴったりです。
一方、3LCDのデメリットとしては、黒の表現が弱いという点と、動きに弱いという点です。職場や学校でプロジェクターを使う際、動画を見ると少し見にくいと感じたことがあるかと思います。高額なモデルになると別ですが、10万円前後となると、動きの早い映像は不向きと言えます。
DLP方式
今回レビューするHT2150STもこのDLP方式を使っています。映画館で使われるプロジェクターの多くはこの方式です。
DLP方式のメリットとしては、コントラストが高い映像を投影することが可能という点と、早い動きに強いという点があります。映画館で使われているのも、これらのメリットによるものですね。また、構造上簡単にすることも可能ですので、スマートフォンくらいの大きさのプロジェクターまで登場しています。
一方、DLP方式のデメリットは、場合によってレインボーノイズと呼ばれる虹のような模様が映像の中に見えてしまうこと。これは、DLPの構造上、色を出すためにカラーホイールと呼ばれるものを使っているために起きるものです。そのため、ハイエンドモデルなどは、カラーホイールの回転速度を早めるなどの対策を取り、レインボーノイズが起こらないようにしているものもあります。後ほど細かくお話しますが、今回レビューのHT2150STもカラーホイールの回転速度を非常に早くしているという特徴があります。
LCOS方式
LCOS方式は、上の2方式よりも複雑な機構をしています。用途としては、ハイエンドの4Kプロジェクターやホームシアターのハイエンド機などです。
LCOS方式のメリットとしては、4Kレベルの解像度も難なく投影できるところ。高解像度の映像を投影するのであれば、LCOS方式が一番いいです。
一方、LCOS方式のデメリットは、構造がかなり複雑であるため、小型化ができないところ。LCOS方式で作ると、プロジェクター本体がかなりの大きさになります。また、価格も非常に高いというのもデメリットの一つです。
プロジェクターの解像度について
プロジェクターの投影方式によって、得意不得意があるように解像度も様々あります。
最近よくあるプロジェクターの解像度は以下の通りです。
- 1280×800:5万円以下の安価なモデルによくある解像度。現在普通にあるテレビは1920×1080くらいのため、テレビと比べると粗さが目立つ。
- 1920×1080:5万円以上のモデルによくある解像度。フルHDと呼ばれる解像度と同じ。このくらいの解像度があれば、粗さも感じずに映像を楽しむことができる。
- 4K:ハイエンド機が採用する解像度。フルHDより4倍きれい。かなりきれいに感じることができるが、フルHDでも十分きれいなため、映像にこだわりたい方向け。
1920×1080くらいの解像度があれば様々な用途に対応できますので、最低でも1920×1080の解像度を選びましょう。よく安価なプロジェクターのレビューで、1280×800で十分と言っているものがありますが、正直おすすめはしません。大画面にすればするほどその粗さが目立ちますので、簡易的に使うならまだしも、ホームシアター的用途で使うべきではありません。
また、安価なモデルで1920×1080に対応しているものもありますが、その場合、明るさが足りないなどのデメリットが必ず1つ以上は存在すると考えていいです。安さは魅力ですが、確実に何かしらを犠牲にした結果の安さですので、長く使いたいのであれば、10万円前後のモデルを購入することをおすすめします。
ゲームに最適なプロジェクターの特徴について
ここまではプロジェクター全体の特徴をお話してきましたので、ここからはゲームに最適なプロジェクターはどのようなものかを説明していきたいと思います。
ゲームに最適な投影方式
ずばりDLP方式がゲームには最適です。DLPは早い動きに強い投影方式です。DLPはコントラストの表現もうまくできますので、ホラーゲームのように暗めのゲームでも問題ありません。
ゲームに最適な解像度
現在出ているゲーム機は、ほとんどが1920×1080の解像度となります。ハイエンド機であれば、4Kも出力可能ですが、4Kをプロジェクターで出力するとなると、かなり高価なモデルになってしまいます。
10万円前後でゲームにも使えるプロジェクターが欲しいということであれば、1920×1080のものを選ぶことをおすすめします。
BenQ プロジェクター HT2150STレビュー
それでは、ここからがBenQのプロジェクターHT2150STのレビューになります。1年間使い倒してますので、かなり細かいところまでレビューしていきますね。
HT2150STの特徴
HT2150STの主な特徴は以下の通りになります。
- 短焦点のため狭い空間でも大画面で投影可能
- ゲームでも遅延を感じさせない応答速度
- 6倍速カラーホイールによりレインボーノイズが現れない
では、各々について細かく説明していきますね。
短焦点のため狭い空間でも大画面で投影可能
このHT2150STは、短焦点のプロジェクターになります。短焦点とは距離が短くても大きく投影できる機能のことです。
HT2150STは壁やスクリーンなど投影箇所まで1.5mあれば100インチの大きさまで投影可能です。1.5mで100インチですから、6畳の部屋でも問題なく大画面で楽しむことができますよ。画像は90インチくらいの大きさになりますが、この画像でも画面の大きさに驚くはずです。
短焦点のプロジェクターは通常価格がそこそこ高い傾向にあります。一方、このHT2150STは9万円以下で短焦点を実現しています。ちょっと調べてみるとわかりますが、短焦点でこの値段はそうありません。HT2150STはかなり安価かつ高性能のプロジェクターと言えます。
ゲームでも遅延を感じさせない応答速度
このHT2150STはゲーム特化モデルなだけあって、応答速度が非常に早いです。その上、入力遅延も非常に低くなっていますので、プロジェクターでゲームをしているとは思えないほど、思い通りに操作することが可能です。
FPSのような早いゲームでも、動きのブレを感じることはありません。むしろ画面が非常に大きいため、今まで気づかなかったような些細な敵の動きにも対応できます。
明るい部屋でも細部をはっきり投影できるゲーム(ブライト)モードも搭載していますので、部屋を真っ暗にする必要もありません。大人数でわいわいゲームすることも可能です。ぜひ、このプロジェクターでスマッシュブラザーズのようなゲームを大人数で楽しんでみてください。きっと、最高に楽しいと思いますよ。
6倍速カラーホイールによりレインボーノイズが現れない
DLP方式の唯一のデメリットであるレインボーノイズですが、HT2150STではレインボーノイズ防止対策もばっちりです。
HT2150STでは、レインボーノイズの原因であるカラーホイールを、通常の6倍速で動かしています。そのため、レインボーノイズを気にすることなく映像を楽しむことができます。
実際私も1年以上利用していて、レインボーノイズを感じたことがありません。レインボーノイズが出るのではないかと心配している方は、このHT2150STの購入をおすすめします。HT2150STであれば、レインボーノイズがでないと思ってまず問題ありません。
HT2150STの凄いところ
HT2150STの凄いところはたくさんありますが、大きく分けて以下の3つがあります。
- 利用できるシーンが多い
- 接続インターフェースが充実
- とにかく安い
利用できるシーンが多い
まずは、利用できるシーンの多さです。HT2150STは、映像がきれいかつ、明るい環境でも利用可能です。素早い映像にも強いですし、本体に20Wのスピーカーを積んでいますので、別途スピーカーを用意する必要がありません。
これらの特徴から、映画はもちろん、ゲーム、スポーツ観戦にも使えます。以前、地上波でやっていたサッカーの試合をプロジェクターで投影して観戦してみたのですが、あまりの臨場感に驚いてしまいました。野球などでも使えますので、野球観戦が好きな方は、毎日の試合をプロジェクターで観戦するといった贅沢な使い方も可能です。
映画にも、ゲームにも、スポーツ観戦にも使える。これだけ利用範囲の広いプロジェクターはそこまで多くありません。HT2150ST本当におすすめですよ。
接続インターフェースが充実
HT2150STは接続インターフェースがかなり充実しています。ここは地味なようで非常に重要なポイントです。
安価なプロジェクターですと、接続インターフェースが思ったよりも少なく、いちいち使う機器によって抜き差しする必要がでてきます。
一方、HT2150STは、上記画像のように接続インターフェースがかなり充実しているため、機器によって抜き差しが必要になるようなことはありません。
また、USB給電が可能なため、Chromecastなどを利用する際も、HT2150STとの接続のみで完結します。私にとっては、これがかなり重要なポイントでした。これのおかげで、YouTubeもストレスなく大画面で利用できます。スマートフォンの画面のミラーリングするといった使い方もできますので、使い方は無限大。正直、この部分だけでも買ってよかったと思える程でした。
とにかく安い
短焦点でゲーム特化、その上フルHDとなると、他のモデルでは安くても12万円ほど。一方、このHT2150STは9万円ほどで購入可能ですから、安さが際立ちます。
安い割にこれだけの性能を秘めていますから、これ以上のメリットはありませんね。HT2150ST、とにかく安すぎます。
HT2150STの残念なところ
ここまで褒めちぎってきたHT2150STですが、残念なところもあります。残念に思う点は以下の2つです。
- 本体が大きめ
- 横方向の調整がしにくい
本体が大きめ
HT2150STの残念なところ1つ目、本体の大きさです。
横38cm × 縦28cm × 高さ12cm。これがテーブルの上に置かれているとなるとそこそこの存在感があります。
とはいえ、20Wのスピーカーも内蔵しているので、スピーカーなど別途置く必要がないと考えるとそこまで邪魔というわけではありません。
棚の上など高いところに置いておけば問題ないですし、賃貸ではない方は天井に吊るすことも可能です。念の為購入前にどこに置くかをシミュレーションしてみることをおすすめします。
横方向の調整がしにくい
HT2150STは横方向への台形補正機能を持っていません。縦方向のみです。そのため、横方向の修正は本体自体を動かす必要がでてきます。
もともと短焦点ですので、投影したい場所の前に置くことはさほど大変なことではないのですが、もともと置きたい場所が決まっているような場合には注意が必要です。棚の上など斜め方向から投射して、台形補正をするといったことはできませんので、こちらに関しても、一度どこに置くかをシミュレーションしてみたほうがいいですね。
最後に
以上が、BenQ短焦点フルHDプロジェクター「HT2150ST」のレビューでした。
冒頭にも書きましたが、今HT2150STを購入しようか悩んでこの記事を読んでいる方は、すぐ購入することをおすすめします。HT2150STを購入してみればわかりますが、値段以上の体験をすることが可能です。
ぜひ、皆さんもプロジェクターのある生活を始めてみてください。今までなんとなく見ていた映画やスポーツが、嘘のように面白くなります。ゲームへの没入感も半端じゃありません。プロジェクターのある生活、最高ですよ。