この記事では、ソニーのEマウント用レンズSEL90M28Gをご紹介します。SEL90M28はフルサイズにも対応しているマクロレンズです。
現在で購入してから2年ほど経ちますが、いつ使っても非常に楽しく撮れるレンズだと感じます。マクロレンズでありながらも、ポートレートや風景の撮影もこなせるオールマイティーなレンズSEL90M28G。今回はこのSEL90M28Gを徹底的にレビューしていきます。
これからSEL90M28Gを詳しく解説していきますが、この記事の結論として言えることは「現在SEL90M28Gを購入しようか悩んでいる方は迷わず購入したほうがいい」ということです。
私はこのレンズを購入するまでは5万円以下のレンズしか使っていませんでした。ですので、SEL90M28Gを購入する際は、かなりの時間悩んでやっと購入したという経緯があります。5万円以下のレンズから10万円のレンズへのランクアップは、とてつもなく大きな壁ですよね。
そんな私が今になって言えるのは「とにかく、買ってよかった」の一言。このレンズを購入してから、写真撮影がかなり楽しくなりました。正直、この1本があれば、今私の持っているレンズが不要に感じてしまうほど(望遠の場合は別ですが)。安いレンズをたくさん購入するよりも、SEL90M28Gを1本購入してしまったほうがよいかもしれません。そのくらい、SEL90M28Gのポテンシャルは素晴らしいものがあります。
それでは、本題に入ります。SEL90M28Gを徹底的に解説していきますね。
- SEL90M28Gのスペック・機能がわかります
- SEL90M28Gでどんな写真が撮れるかがわかります
- SEL90M28Gの凄いところがわかります
- SEL90M28Gのちょっと残念なところがわかります
目次
SEL90M28Gについて
ここでは、SEL90M28Gの基本的な部分についてご説明していきますね。
SEL90M28Gのスペック
名称 | FE 90mm F2.8 Macro G OSS |
型名 | SEL90M28G |
レンズマウント | ソニー Eマウント |
焦点距離(mm) | 90(APS-Cの際は135mm) |
解放絞り | 2.8 |
最小絞り | 22 |
絞り形 | 円形絞り |
最短撮影距離(m) | 0.28 |
フィルター径(mm) | 62 |
手振れ補正 | レンズ内手振れ補正 |
外形寸法 最大径×長さ(㎜) | 79 × 130.5 |
質量 (g) | 602 |
SEL90M28Gの機能
SEL90M28Gの機能において、特筆すべきものは以下の通りです。
- フォーカス範囲が制御できるフォーカスレンジリミッター
- AFとMFか簡単に切り替えできるリングスライドスイッチ
- Aフォーカス位置を固定できるフォーカスホールドボタン
- レンズ内手振れ補正ON/OFFを切り替えられる手振れ補正スイッチ
それでは、各々について詳しく解説していきますね。
フォーカス範囲が制御できるフォーカスレンジリミッター
フォーカスレンジリミッターは、その名の通り、焦点距離の範囲を制御することができるスイッチになります。SEL90M28Gはマクロ撮影も可能な中望遠レンズです。そのため、フォーカス可能な範囲がほかのレンズと比べて非常に広く、思ったようにフォーカスしてくれない場合がでてきます。中望遠的な使い方がしたいのに、近くの物体にフォーカスがあってしまうということも考えられます。
その際に利用するのが、このフォーカスレンジリミッターです。フォーカスレンジリミッターでフォーカスされる範囲を指定することで、物体に適切にフォーカスすることが可能になります。
指定可能な範囲は「0.28m~0.5m」「0.5m~∞」「範囲指定なし」の3種類。使ってみるとわかりますが、この機能かなり便利ですよ。
AFとMFか簡単に切り替えできるリングスライドスイッチ
マクロ撮影中では、AFだと思ったようにフォーカスが合わず、MFに切り替えて撮影したくなることがよくあります。
その際に便利なのがこのリングスライドスイッチ機能。これは、フォーカスリングを前後にずらすことで、AFとMFを簡単に切り替えることができる機能です。
リングスライドスイッチ機能により、ファインダーを除きつつAFとMFを素早く切り替えることができますので、狙った瞬間を撮り逃すことがありません。
余談ですが、リングスライドスイッチのカチッとなる感覚が癖になります。その上、何となくプロっぽい気分で撮影することができます。私のお気に入りの機能第一位です。
フォーカス位置を固定できるフォーカスホールドボタン
フォーカスフォールドボタンを押している間、合わせたフォーカス位置を固定することができます。これにより、中心に物体をとらえてフォーカスした後で、構図調整をするといったことが可能になります。
親指AFを利用している方はあまり必要ない機能だと思いますが、ボタンとしては非常に押しやすい部分にありますので使ってみてもよいかもしれません。
レンズ内手振れ補正ON/OFFを切り替えられる手振れ補正スイッチ
手振れ補正のON/OFFを簡単に切り替えることのできるスイッチになります。
基本的に私はONの状態にしていますが、ボディ内手振れ補正とかち合うような場合すぐにOFFにできますので、便利といえば便利な機能だと思います。
手振れ補正の状態をすぐに確認できるという点でも、便利かなと。他の機能に比べると少し劣りますが、このスイッチがあるだけでレンズが一段とかっこよくなりますので、私としては大事な機能ですね。
SEL90M28Gの作品例
ここでは、SEL90M28Gで撮影した作品例をご紹介します。と言っても、初心者に毛が生えたようなレベルの私が撮影したものです。初心者でもSEL90M28Gを使えば、このくらいの写真が撮れますよという感じで見ていただければと。
※画像をクリックすると拡大できます。
近距離での撮影
中距離での撮影(動物)
中距離での撮影(風景)
SEL90M28Gの凄いところ
ここでは、SEL90M28Gの凄いところをご紹介していきます。2年ほど使い倒した私が思うSEL90M28Gの凄いところは以下の通りです。
- 利用範囲が広くオールマイティーなレンズ
- 解像感の高さ
- 撮影時にストレスを感じさせない使いやすさ
利用範囲が広くオールマイティーなレンズ
作例を見てわかっていただけたと思いますが、とにかく利用範囲が広いです。花などをマクロ撮影する際はもちろんのこと、動物や風景の撮影にも高いポテンシャルを発揮します。
私が愛用するボディーは、α6000ですのでセンサーがASP-Cサイズになります。そのため、焦点距離が135mmとフルサイズよりも中望遠的な位置づけになりますが、それでも利用の幅の広さには驚く限りでです。
中望遠では足りないような撮影環境や、あまりに狭い空間での撮影でなければ、正直これ一本で事足ります。
値段は張りますが、これ一本で対応できる分のレンズを考えると安いものです。その上、いちいちレンズ交換の必要もありませんから、撮りたい瞬間を撮り逃がすといったことも減ります。SEL90M28G、とんでもなくオールマイティーなレンズですよ。
解像感の高さ
SEL90M28Gを使って一番最初に驚いたのが、この解像感の高さです。
それまでは、撒き餌レンズと呼ばれるような、性能の割に格安というレンズを多く使っていました。SEL90M28Gを購入するまでは、それらのレンズで事足りると思っていましたし、そこそこいい写真が撮れたな、と感じることも多くありました。
しかし、SEL90M28Gを使ってから、その考え方は180度変わりました。SEL90M28Gで撮影した写真は、今まで撮影した写真と比べ物にならないほどシャープで、その場の雰囲気までをしっかりと切り取れているものばかりです。
今よりももっとシャープに、細かい部分までをしっかりと写し取りたいという方は、SEL90M28Gかなりおすすめです。この解像感の高さ、本当に驚きますよ。
撮影時にストレスを感じさせない使いやすさ
とにかく、かゆいところに手が届く機能が満載で、撮影時にストレスを全く感じません。
機能の部分で少し書きましたが、特に私のお気に入りは、AF/MFをフォーカスリングで切り替えられるリングスライドスイッチ。このリングスライドスイッチは本当に素晴らしい機能です。
よく使うタイミングは、マクロ撮影時や動物の写真を撮っているときなのですが、これを本体のスイッチで切り替えていたらと思うと、恐ろしく感じてしまうほど。それくらい、リングスライドスイッチの便利さには驚きます。
このSEL90M28Gで撮影しているときに、こんな機能があったら便利なのに、と思ったことがありません。SEL90M28G、本当にノンストレスレンズです。
SEL90M28Gのちょっと良くないところ
ここまではSEL90M28Gの凄いところを紹介してきましたが、ここからは、少し残念なところをご紹介していきますね。
フォーカスが少し遅い
これは、フォーカス範囲が広いせいなのですが、フォーカスが少し遅いと感じるときがあります。特に、動きのある被写体を撮影する際は、フォーカスの遅さを感じやすいかもしれません。
マクロ撮影や風景、ポートレートなどあまり被写体が動かない場面であれば問題ありませんので、動きの早い被写体のときのみ他のレンズを使うといったことも考慮しておく必要があると思います。
レンズが大きい
これは、いいレンズの宿命と言うやつですが、レンズ本体が大きいです。ソニーのミラーレスはボディーが小さいというのも相まって、余計レンズの大きさが際立ちます。
とはいえ、レンズを何本も持っていくほうが邪魔になりますので、このSEL90M28Gのみを持っていけば大抵のものが撮れると考えると、このくらいのレンズの大きさは別に問題ではありません。
私としては、小さいボディーに大きいレンズというのもかなりありだな、と思ってしまうところがありますので、むしろSEL90M28Gの大きさが好きです。しかし、ちょっと大きすぎるかもと感じる人は、一度実物を見てから決めることをおすすめします。
最後に
以上が、Eマウント用レンズ「SEL90M28G」徹底レビューでした。
SEL90M28Gは、利用シーンの幅がとにかく広いです。その上、撮れば撮るほど楽しく感じてしまう、そんなレンズになっています。
SEL90M28Gが気になっているという方、買ってみようか悩んでいる方は、購入することをおすすめします。このレンズ、本当に素晴らしいです。決して損はしないと断言できます。
ぜひ、皆さんもSEL90M28Gで楽しい撮影ライフを送ってみてくださいね!